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2021.05.25 投資・資産運用

FIRE(早期リタイア)ブームに翻弄される人・されない人

この記事では
・FIRE(早期リタイア)とは?
・FIREするために必要な資産額
・実現する方法論
・本当に出来るのか?

といったことについて解説しています。早期リタイアに興味がある方はこの記事を読んでいただくことでFIREについての知識や方法論を学ぶことができます。

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投資系の雑誌や個人投資家の話でも随分景気のイイ話が聞こえてきます。
目下(2021年5月時点)、コロナ禍以降の金融緩和で世界的に株価が活況です。

・株で資産10倍になった、
・3年で億り人(金融資産1億円超)になった
・元手50万円が5000万円を超えた

こんな感じの記事がマスコミやSNS上で良く見かけ、SNSでは自らの資産の多さを喧伝するような投稿もチラホラ見られます。

Amazonの「投資・株」関係の売れ筋を見てみると早期リタイア(FIRE)関連の本が良く売れているようです。

FIREとは何か?

FIREとはどういう概念なのでしょうか?
簡単に説明すると下記の通りです。

◆Financial Independence(経済的自立)
◆Retire Early(早期リタイア)

の頭文字を取ってFIREというわけです。

20代~30代の間に投資や企業売却などで稼いで40代~50代でセミリタイアしてしまおうという考え方で、2000年頃から米国でムーブメントが起こり欧州にも飛び火し日本にも入り込んできた概念です。
ネットやSNSで検索するとFIRE関連の本やセミナーが活況で「稼いで早期リタイアしたい!」という若者がセミナーに相当数集まるとのこと。

世の中にあふれるFIREの謳い文句を見てみると、「株で儲けてアーリーリタイアを目指せ!」というようなスローガンがちらほら見られます。
あたかも「投資は楽して儲けられる」という宣伝・広告が散見されますが、実際のところはどうなのでしょうか?

  • FIREするにはどんな方法があるのか?
  • 何をすればいいのか?
  • 実際FIREって出来るのか?

ということについて考察します。

配当と運用益のみで生活していくための理屈とは

FIREの具体的方法としては「まとまった資産を運用して運用の配当や利益から支出をカバーし、働かずに一生を終える」というものです。その根拠となっている研究が、米国のトリニティ大学の博士が研究した金融理論です。

退職後の資産運用において

  • リスクを抑えて年率5%程度で運用し、
  • かつ資産の取り崩しを年間4パーセント未満におさえるて運用すれば
  • 金融ショックや暴落に遭遇しても30年後の投資元本が目減りしていない、

というものです。

要はまとまった金額を年率4~5%で運用して、その配当や運用益を原資として支出をカバーすれば早期リタイア出来ますよね、という話です。
理屈としては毎年5%で運用して毎年5%取り崩すから元本は目減りしていかない、ということで当たり前っちゃ当たり前の話です。

ただ注意点として、配当や運用益からの収入で生活するには2000万~3000万円の投資元本では到底足りません。相応の金額が必要です。
では配当生活を送るにはいくら投資元本が必要なのか?
配当生活に必要な投資元本はどうやって作るのか?
ということを考えてみます。

夢の配当生活!必要な元本は〇〇万円!

具体的に数字に落とし込んでみると
一ヶ月に必要な生活費が25万円と仮定すれば、年間300万円の収入があれば「とりあえずは」生活できます。
年4%の運用で年間300万円を生み出すには、投資元本はおおよそいくら必要でしょうか?
ざっと計算して8000万円は少なくとも必要です。

つまりFIRE、早期リタイアはこの8000万円を20代~30代のうちに株式投資などでガッポリ稼いでしまおうという要点なわけです。中々のハードルの高さです。

普通のサラリーマンの給料では到底不可能ですから、
「みんな!株式投資でガツンと!お金を増やして、FIREしようぜ!」といった書籍・セミナー・商材に注目が集まるわけですね。さらにマスコミも便乗してFIREを取り上げるという構図が出来上がっています。

言うまでもなく普通のサラリーマンが給料だけで8000万円の貯蓄を作ることは極めてハードルが高いといえます。大企業の部長・役員まで上り詰めるか財閥系商社や外資系銀行などの高給取りでなければ不可能です。仮に大企業の部長職や商社マンでも30代のうちに税引き後8000万円の資産を作るとなると、、、、、ちょっと非現実的な話になってきます。

仮に普通のサラリーマンが株式投資ではなく働いた給料から貯蓄して税引き後8000万円という資産を作るにはどれぐらい時間や元手資金が必要でしょうか?

イメージとしては、
元本が変動せず固定金利・年率5%で運用が出来たとして(今の時代ではありえないですが)、毎月20万円を積立投資に回せれば20年間で8000万円に達します。もし20代から上記のような運用を始めれば40代には早期リタイア可能な資産を作れるということですが・・・。

中々のハードルの高さですよね。

資産形成の思わぬ落とし穴、守銭奴は辛いよ

毎月20万円ものお金を平均年収世帯が貯めようと思えば、別の「何か」を削らなければなりません。

  • 家賃
  • 旅行
  • 趣味
  • 会食
  • 小遣い

などなど。とにかく支出を削って切り詰めた生活を強いられることになります。
若いうちから切り詰めた生活をしすぎると様々な弊害があります。

20代~30代は仕事で様々な経験をして多くの人に会い、話し、自分のスキルや人脈を広げていく時期だと思います。しかし資産を作るためにそれらの機会を切り捨ててしまうということは将来の自分の可能性を狭めてしまうことになります。
身銭を切って自己研鑽・自己投資をしない人間はビジネスにおいて30代以降の成長が止まります。成長が止まれば出世や昇給などは望めませんから年収も増えません。

では一発、独立してみるか、起業してみるか?
世の中そんなに甘くありません。

  • 面倒くさいコツコツ貯蓄
  • 自己研鑽して年収を上げていく

普通の人が資産を作っていくには上記のプロセスが必ず必要になりますが
はっきり言って、面倒だしシンドイ。ですよね?
故に、これらシンドくて面倒なプロセスをすっ飛ばして雑誌やSNSでは「そのほうが読まれるから」という理由で
「株で大金稼げます!その手法教えます!」というコンテンツが大量に生まれているということです。

若者が高額商材&高額セミナーのカモにされる裏側

ではなぜ、マスコミやインフルエンサーがFIREブームを持ち上げるのでしょうか?
理由は簡単です。
FIRE関連の本、投資系高額情報商材、高額セミナーで儲けられるからでしょう。

「私、セミリタイアしました。今40歳です。資産3億円、配当だけで余裕で生活しています。FIREのやり方あなたに教えます。誰でも簡単に出来ますよ。」

適当に銀行残高明細を画像編集ソフトで作って、いかにも成金丸出しな身なりをして、宣伝する。宣伝媒体はyoutube広告あるいはsns広告が中心。なぜならば金融知識に疎い10代や20代のユーザーが多いから。ネットワークビジネスの連中が学生を狙って高額商品を売りつけるのも同じ理由です。

実際のところyoutube広告では、まぁ本当に胡散臭い広告が多いです。
大人が見れば「胡散くさ」「こんなのに誰が騙されるんだ」と思うような内容ですが、子供からすれば夢のような方法を教えてくれるように見えてしまうものです。

余談ですが子供にyoutubeを見せる場合は広告が出ない有料プラン(月額1000円程度)にするか、
分別ができる年頃の子供には「変な広告には注意せーよ」「詐欺まがいの広告多いからね」と一声かけてあげることをオススメします。

ちなみに杉山家では子供(7歳、4歳、2歳)にyoutubeは見せておらず動画はNetflixのみです。youtubeは物事の善悪がある程度理解出来るようになってから、と妻と相談して決めました。

無垢な信者のお布施は甘美な味

いずれにせよ、狡猾な自称FIRE人間が呼びかければ、信者が群がって数十万~100万を超えるような高額セミナーや高額ノウハウをガンガン購入してくれます。
迷っている人には、こうささやきます。

「この情報は100万円ですが、この情報をもとに行動すればあなたも早期リタイアできます。だったら100万円は安いものでしょう?」と。

高額セミナーや高額商材の勧誘における常套句です。
FIREセミナー主催者の収入源は投資からの配当や運用益などではなく、信者たちからのお布施(高額セミナー受講料)、なんてことは非常に良くあるケースです。

一斉を風靡したロバート・キヨサキ著「金持ち父さん貧乏父さん」は不労所得を説いてベストセラーになりました。でも実は、ロバート・キヨサキ氏、この本を書いたときはお金持ちでもないし、不労所得で生活していたわけでもなかったのです。
彼は資産家である自分の経験を元に本を書いたのではなく、本を書いたことによる印税や講演会に呼ばれるようになりお金持ちになりました。逆なんですね。

断っておくと金持ち父さん貧乏父さんに書いてある知識は素晴らしいものだと私は考えています。しかし、今となってはネットワークビジネスやネズミ講を勧誘する連中たちのバイブルになってしまっているのが残念なところです。
彼らは金持ち父さん貧乏父さんを片手に「あなたも不労所得を得ませんか?」と無垢なカモ達に勧誘するのです。怖いですよね。

私の知人にネットワークビジネスにハマった当時20代の女の子がいます。20代の普通の女の子が「働かなくてもお金が入ってくるんだよ!すごくない?!」と私に力説する姿とその瞳のギラツキを思い出すと今でも背筋が凍る思いです。

彼女はその後どうなったのでしょうか?
彼女が働き始めて2年半もの間コツコツ貯めた150万円を、胴元の男に全て吸い上げられました。貯金も底をつき、紹介できる友人もいなくなってしまった彼女は胴元の男から利用価値がないと判断されたのでしょう、男からの連絡は途絶えました。

彼女が言うように投資の配当金や不動産の家賃収入があれば「働かなくてもお金が入ってくる」方法は世の中に存在します。投資の配当や運用益で生活すること自体に善悪はないと思います。個人の考え方の自由です。
ですが配当で生活できるまでの種銭を作るには、余程の資産家一族でない限り
まずは労働で稼がなければなりません。

血気盛んな若者が早期リタイアって・・・腰が抜けそう

驚くべきことは、多くの学生や20代の若者がFIREセミナーに興味津々で参加しているということです。

「どんだけ働くの嫌やねん」と思わず1人で突っ込んでしまいました。

学生や20代前半なんて
「野心!やる気!勢い!」の塊のような年代じゃないですか?
なのに早期リタイアを考えるってどないなっとんねんということです。
「気張って働かんかい」なんて言うと、杉山よ、お前のようなオッサンの考え方は古いと言われてしまうのでしょうか。

FIREは人生のリスクヘッジ手段である

ここまで「FIREはケシカラン」というような話をしていますが、私としてはFIRE出来るならやっちゃえばいいじゃん、と肯定的に見ています。

お前どっちやねん!と言われそうですね、笑

FIREをとにかく仕事が嫌だから、働くのが嫌だからという理由で目指しても良い結果にはならないでしょうということです。仮にそういう状況でFIREしても生きる目的を喪失して抜け殻のような人生になってしまいます。仕事や趣味、社会奉仕などでの生きがいがない人生は実につまらないものです。

ではFIREとは何のために行うのか?
私の考えとしては「FIREとは人生のリスクヘッジ手段」である。と考えています。

お金があることで様々な束縛やストレスから開放されます。経済的な憂いが無くなれば人生をかけて打ち込みたい事に集中することが出来ます。
経済的な余裕があれば良質な教育、食事、医療などを受けることができます。自分だけではなく自分の家族、子供、孫、ひ孫、さらにその下の世代も良質な環境の中で生きていくことが出来るでしょう。

カネカネカネ、金が全てと言っているわけではありません。
しかし、お金が人生をイージーにしてくれるということは事実です。その手段としてFIREがあるということです。

普通の人は老後2000万円を確実に達成する

ただそのFIREを達成するまでには地道で継続した努力・工夫が必要です。20代で起業して30代で会社を上場させるぐらいの勢いがないとFIREは難しいです。前述の通り、余程の資産家一族でない普通のサラリーマン家庭に生まれた人間が20代~30代で数億円もの財産を作ることは困難です。

20~30歳代で資産数億円は難しいのですが、50~60歳代で1億超の資産を作っていくことは決して難しくないと私は考えています。「ほんまかいな杉山、ふかしこくなよ」と言われそうですが、
決して嘘ではありません。方法はシンプル、2ステップで完了です。

①自己研鑽して年収を上げる
②上げた年収を投資に回す
投資は博打的なトレーディングではなく「積立投資+急落暴落時に株式を買う」というものです。
土台は積立投資でリスクを抑えて、数年に一度ある急落暴落局面で株式を仕込むという方法なら誰でも出来ます。難しくないですよね。

毎月20万円を積立投資にまわしていけば20年で元本が5000万円です。
積立投資による資産の増え方をシュミレートした金融庁のデータによれば億円超えが十分射程圏内となります(相場状況にもよります)。

いやいやいや、毎月20万円も積立できるかい!と思うかもしれません。確かに簡単ではないと思います。ですが例えば妻(夫)も働いてダブルインカム世帯であればどうでしょうか?ちょっと出来そうに感じませんか。当然ながら自分もスキルを上げて年収を上げていかねばなりませんが、巷にあるような
「普通の主婦が、フリーターが、元手50万円を1億円にした!」というサクセスストーリーより遥かに再現性があると思います。

もっというと、そもそも生きていく上で1億円も必要ないです。60歳時点で2000万円の金融資産があれば比較的豊かな老後をおくることができます。

60歳時点で2000万円の金融資産を作るには積立NISAを年間上限いっぱい(40万円)やっていれば、ひとまず問題ありません。この記事を読む人ならば現預金を全くせずに60歳を迎える人は恐らくいないでしょうからなおのこと60歳で2000万円は難しくはありません。

※投資は自己責任、損失を被るリスクがあります※

豊かな老後を送ることは決して難しくない

結論としては

FIRE出来るならそらやったほうがいい。ただ、うまい話に要注意!カモにされないように注意。
資産億円超えじゃなくて、普通の人が望むぼちぼち豊かな老後を送るための資産作りは決して難しくない。

FIRE目指すにしろ、普通の豊かな老後を目指すにしろ、

まずはともかく収入を上げねばどうにもなりません。

「うわ、何と夢のない話なんだ」と言われそうですが
事実、ある程度の収入がなければ投資にお金を回す余裕も生まれません。
ただし年収2000万、3000万稼ぎましょうということではありません。

以下、普通の豊かな老後を実現する話です↓↓

毎月3万円~5万円を積立投資に回せるだけの収入を得ることを目先の目標にすれば問題ありません。月に3~5万円であれば額面年収350万~400万円の人でも十分に捻出できます(浪費をしなければ)。

そして積立NISAかidecoのどちらか、あるいは両方を利用する。
どちらも政府公認の国民的資産形成制度です。利用しない手はありません。
年収が上がってくる30代以降は、月に10万円を積立に捻出できる人も出てくるはずです。奥様にも少し協力して働いてもらえば、夫の給料+妻の給料で毎月10万円を捻出することは難しくはありません。

月10万円の投信積立、年率平均4~5%程度で運用して20年続ければ
あれ、金融資産5000万が見えてきます。
ほぼゼロ金利の預貯金だけで普通のサラリーマン家庭が金融資産5000万円を作るのはかなり大変です。ですが計画的に運用していけば金融資産5000万円は普通に射程圏内です。

60歳を過ぎた人だと「今更、お金を増やしても・・・」と思うかもしれませんが、
20年後の80歳を過ぎた時に体調不良で老人ホームに入らねばならない場合、やはりお金は必要です。
民間の老人ホーム、最低月25万円は必要です。年金だけでは到底カバーできません。

介護問題を抜きにしても、できれば子供・孫に資産を残してあげたい、と思う人は多いはずです。そう考えると、60歳でも70歳でも資産運用は遅くないといえます。

長いコラムになってしまいましたが、まとめると

①頑張って働こう
②自己研鑽して年収あげよう
③コツコツ積立して、相場急落時に株を買おう
④健康管理しよう(老人ホームを使わないように)

あ・・・4行で、終わる話でした・・・。

 

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